令和7年12月納市 競り市概況
令和7年12月納市は、先月の記念市が好調に推移したことで期待が高まる中、12月5日金曜日に開催されました。
新入荷商品が多数集まり、富山、岐阜、高知など遠方からも出材があり、蔵出し品と合わせて倉庫の内外に多くの商品が並びました。
登録された買い方様も多く、隣では桜井木材市場の青協協賛市や奈良県銘木協同組合の優良材市が開催されていたこともあり、ウッドメッセ奈良全体は賑わいを見せました。
苦戦を強いられた売買展開
朝一の寸二板については、買い方様が多く集まり順調に販売が進みました。
しかし、倒しの幅広の板の競りに入ったところ、買い方様が隣の銘協(奈良銘木協同組合)様の市に流れ出してしまい、以降売りにくい展開となりました。
源平材や高知からの天井板も競り参加者が少なく苦戦しましたが、主なところは何とか販売することができました。
一方、岐阜や富山からの杉、松、ケヤキなどの材は全量販売しています。
蔵出し品は安値のものも含め、すべて販売に至りましたが、指値が高く設定されていた特殊材は元落ちという結果に終わりました。
磨丸太については競りへの参加者が少なく、出節や六寸上の丸太、変木などを売るに留まりました。
柾板建具も売りにくく、人気店でもなかなか手が出ない状況で、落札価格もやや安値でしたが、出荷主様が後売りで粘ってくださったおかげで、最終的に8割弱を販売することができました。
杉の建具は以前より売りやすくなっている反面、桧建具が多少苦戦しています。
要因と今後の対応
このように今月はやや苦しい展開となりました。
これは、先月よく売れたことによる反動と、隣接する奈良銘協様の優良材市に買い方様が流れたことが主な要因だと推察されます。
市場としては、せっかく良材を出してくださった出荷主様に対し、力不足を痛感し申し訳なく思っております。
現在、元落ちしている材についても、できる限り後売りで販売し、少しでも出荷主様の売り上げに貢献できるよう尽力いたします。
年間の総括と集積効果
ただ今年一年を振り返ると、市場としては悪くはない年でした。
ウッドメッセ奈良に移転して3年余りが過ぎますが、原木も製品もこの地に集まってきているという数字上の裏付けもあり、集積効果を実感しています。今月のように隣接する市場にお客様が流れることもありますが、これを反省材料とし、次につなげることでより良い市場へと成長していく所存です。
今年も一年大変お世話になりました。
来年11月には、当市場はいよいよ開設50周年を迎えます。
そこに向かって、売り上げも活気も盛り上げてまいりますので、来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

