令和5年7月の市は、7日金曜日猛暑の中行われました。
7月は例年、製材所出荷主で作る生樹会と磨丸太生産者で作る銘友会の協賛市で、良材が多数集まります。特に製材品は原木不足の中で、今回の市に向けて多くの材が集まりました。
また当社営業マンと製材所の方とで事前に買い方様を訪問し、来場者も多かったです。
外は暑かったですが、昨年9月に引っ越してきた新しい倉庫は天井が高く風の通りがよく、それほど暑いとは感じなかったのが幸いでした。
朝一の杉板の競りは、いつものように出足は多少苦戦しましたが、徐々に買い方様も増え競りに活気が増しました。
買い方様が増えると目当てのものが重なって、競り上がるものもありました。通路に倒してある幅広の板も主なところは販売しました。
杉赤造作材に関しては、入荷量も少なく大半を販売しました。
土佐からの天井板は、長尺のものなど新入荷材が主でした。競りで一部残るものもありましたが、後売りで対応しました。
杉源平材に関しては、新入荷の材はほぼ販売しました。
先月の元落材も、今月は売ることができました。
一部の商品は、値段も高かったです。逆に値の安いものも量を販売することができました。
柾板建具に関しては、ここ数か月やや弱かった檜材が強く、良材には手が多く出て競り上がり、一部特殊な商品を除いてほぼ販売できました。
逆に杉材はやや売りにくく、苦戦するメーカーもありました。
ただ競りには常連さんに加えて、初参加の方や2度目の方もおり、多くの買い方様についていただきました。
全体では7割程度の落札でした。
磨丸太に関しては、ここ数か月新規の出荷主様や久しぶりに出荷して下さる方が散見されるようになりました。
できるだけ滞留材を減らし、目新しいものを浜に並べるよう努力しています。
ただ新規の材は、幾分かは売れましたが、売り切りコーナー以外は当用買いに終わりました。
蔵出し品に関しては、記念市ということで様々な材が入荷しました。
買い方様が多かったので、一部思惑よりも高く販売できるものもあり、全量販売しました。
直近の他の市場や展示会の結果が思わしくなく、当市場も市日の来客数と売り上げを心配しておりましたが、何とかまずまずの結果に終えることができました。
梅雨時期ということもあり、原木が少ない中で、今月の市に向けて良材を多数出していただいた出荷主様、市況が今一つの中で当市場にお越しいただき、競りに参加して下さった買い方様には本当に感謝しております。
当市場は、奈良県の杉檜を中心とした役物銘木を販売する産地の市場です。
役物の原木は、役物として製材所が挽いて、役物銘木の価値がわかる全国の買い方様に買っていただく、川上から川下まで、先達が丹精込めて育てた奈良県の木材の価値がわかる人たちの連携で、その価値が保たれています。
もしもこの流れが一度途切れてしまったら、奈良県の長年育てられた美しい木材も、立米当たりいくらの価格競争に巻き込まれ、その価値は一気に失われてしまいます。
菅生銘木市場は、奈良県の産地の市場として、これからも役物銘木の価値を保ち、適正な価格で流通させるべく尽力してまいります。
来月8月は4日金曜日に市を開催します。よろしくお願いします。